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青い真珠が一粒、清潔なシーツの上に横たわっているものと思われた。 純子はためらいとやましさの浜辺に、畏怖の波が押し寄せてくるのを、心中に確かに感じていた。彼女の美しさはたびたび純子をそのような思いに駆り立てた。分厚い遮光カーテンの外は夏まっ…
背中から、公貴の手のひらの重みがふっと離れていく。彼はサイドテーブルの固定電話脇に置かれていた、ホテルのロゴの入ったメモ用紙を一枚切り取って、ボールペンで何か書き付けたのをはじめによこした。〇六からはじまり、以後二桁ずつ区切って表記された…
いつか、純子が、鏡に映る自分を見て、ひどく取り乱したことがあった。 雨季の頃だったかもしれない。湿気が強くいうことを聞かない髪を持て余して、朝から彼女は、櫛とヘアオイルを両手に難儀そうな顔つきで鏡の前に立っていた。背の大きく開いたシアーシャ…
——あんたのこと、本当に愛したことなんて一度もない! 頭蓋骨の裏にぽっかりとあいた空洞に、その声は絶えることなく反響する。 胸が引き絞られるように痛み、続いて、込み上げてきた言いようのない感情が、下瞼からあふれ滲むように伝った。頬を冷たいもの…
強い意志に満ち溢れた明晰なまなざしが、テーブル越しに純子へと降ってくる。はじめのまっすぐな想い、言葉が、純子の傷ついた細胞に触れ、浸透してゆく。 純子はふうとあからさまに嘆息し、ベルベットのソファに深く腰掛けた。はじめから視線を逸らす。夜の…
純子は、自分でもそれと知れぬうちに、唇の端に愉悦の笑みを浮かべていた。従順でかわいいはじめ。純子を慕うあまり盲目的にのめり込みすぎたはじめ……便器横に設置された、ホース型のシャワー設備を引き寄せてきて、彼女の直腸を洗う。粘膜に激しく冷水を浴…
Tシャツをたくし上げ、二つの乳房を露出させる。未成熟の椿の蕾を思わせる小ぶりな乳頭は、性的な刺激に反応し、すでに固く勃起し白っぽい乳汁をだらしなく分泌していた。純子はアヤムの油でつやつやと濡れた唇を開き、一も二もなく、片方の乳輪全体を口に…
青い真珠が一粒、清潔なシーツの上に横たわっているものと思われた。 純子はためらいとやましさの浜辺に、畏怖の波が押し寄せてくるのを、心中に確かに感じていた。彼女の美しさはたびたび純子をそのような思いに駆り立てた。分厚い遮光カーテンの外は夏まっ…
ナッシング・トゥ・マイネーム ジュンコ わたしのジュンコ閉店後の、四川料理屋のポーチに裸足で座っている親指で赤虫を潰す ジュンコ、錦江飯店(シンジャンホテル)でウエイトレスをしながら小説を書いている新作が発禁になる不能の恋人に飽きて、ドイツ人…